「指揮棒も楽器」など貴重なお話をお聞きしました。

指揮者の川本貢司先生にご来社いただきました

ドイツを拠点に、ドイツ・フォアポンメルン歌劇場第一専属指揮者、北東ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者、ピルゼン放送交響楽団音楽監督を歴任。2021年に西安交響楽団名誉客演指揮者に就任と、国際的な指揮活動を展開されている指揮者の川本貢司先生が、先日(12月6日)弊社にご来社いただきました。

現在、先生にはPICKBOYの「FTK-150EB/W」と「FTK-150RW/W」の2タイプの指揮棒をお使いいただいています。

  [川本貢司モデル]
  グリップ…エボニー、マホガニー、ローズウッド
  シャフト…メイプルウッド
  サイズ…全長:260mm、グリップサイズ:50mm×Φ12mm

お話をお伺いする中で、「指揮棒も楽器」である!という貴重なお話をお伺いすることができました。
こちらの「指揮棒も楽器」のお話は、コラムとしてご自身のHPにアップされています。


現在お使いただいているモデルに至るまで「試行錯誤した結果、今使っている指揮棒はタイプとしては10代目。」との事。今回は、ご本人の許可をいただきまして一部、抜粋してご紹介させていただきます。
 


 
指揮棒も楽器

私は指揮棒にかなりのこだわり(と言うよりも、指揮棒を握っている時に気になること)があって、指揮技術の変化や指揮棒の理想に加えて、筋肉量や体格等諸々の経年変化と付き合いながら色々と試行錯誤した結果、今使っている指揮棒はタイプとしては10代目。つまり、過去に9回のモデルチェンジ(?)をしたことになります。

ちなみに。現在使用している10代目指揮棒は、株式会社ナカノの指揮棒ブランド Pickboy のもので、型番FTK-150EB/WとFTK-150RW/Wの2タイプをその時々で使い分けていますが、限りなく10に近い9:1で前者(グリップがエボニーでEB)を使っています。

今回の冒頭にも書いた、最も大切にしてきた「こだわり」

・・・それは「指揮棒も楽器」である!

という考え方です。

自分もいくつかの楽器を演奏するのですが、楽器を選ぶ時は、お店を数店訪ねて、そのお店にある(同じモデルであっても)複数の楽器を試奏して選ぶ。これが自然でした。

ところが指揮棒に関して、初期の頃はそういったことを全く考えず、自分が持つイメージだけで指揮棒を選んで、指揮棒に自分を合わせようとしてみたり、周囲の指揮棒を持つ人たちが特に何かを気にすることなく「お店にあるもの」を購入する状況に何の疑問を持つこともなく過ごしていたのですが、大学4年生の頃に、たまたま指揮棒の長さを40cmから36cmに短くしたことをきっかけに、指揮棒も自分に合うものを選ぶべきではないか?・・と考えるようになりました。(その36cmが4代目です)

そこから既製品、特注、自作を試しながら、9代目で26cmという長さに落ち着き、10代目でシャフト(棒)が細く、グリップも木製(エボニー)になることで自分の最終形が完成したわけですが、その間に、自分に合ったものを持たなくてはならない、という考えが定着し、それが「指揮棒も楽器」という考えを生み出しました。

※「指揮棒も楽器」 コラムより抜粋

 


 
また今回特別に[川本貢司モデル]、指揮棒選びに関して、川本先生よりアドバイスもいただきました。
 

あくまでも私(川本)個人の意見、感想に基づきますが、指揮棒を選ぶ際に重要なのは、指揮棒を持つのに無駄な力が入らないこと、つまり、指揮棒が手から離れていかないように支える必要最低限な力以上の力が入らないことが大切で、身体に合っているものであること、そして、指揮棒を握っていることさえも忘れてしまうくらいバランスがいいこと。
ショートサイズの指揮棒は長い指揮棒を持て余してしまう、または重いと感じてしまう方におすすめで、グリップとシャフトの組み合わせで、総重量がたった1gの違いであっても、実際に握ってみると感じる重さやバランスの差は大きいので、私の腕が感じるバランスの違いからは、最も軽いマホガニーのものが女性に、最も重いエボニーは男性に、その中間に位置するローズウッドはマホガニーを軽すぎる、エボニーを重すぎると感じる方におすすめですが、重要なのは性別ではなく自分に合ったものを選ぶことなので、実際に手に取ってみることをおすすめします。

 
川本先生、貴重なお時間をありがとうございました。
皆さんも、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです!

 


 
川本先生の指揮棒への思いがユーモアたっぷりに寄せられている、コラム全文をぜひご覧ください。
 
【川本貢司の雑記帳~「指揮棒も楽器」~詳細は】

川本貢司の雑記帳~「指揮棒も楽器」~詳細は


  

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PICKBOY